『忠臣蔵』のお話なら皆さん大まかにはご存知でしょうし、前回のあらすじを忘れてしまっていても、読み進むのに大して差し支えはないんじゃないでしょうか。 ――と思っていたのですが、やっぱり年に3回のゆっくりした連載ペースではキビしいようにも思うので、「ここまでのお話」。
マスオ母の「物語」の迷走は続き、「第二部 そろそろ我に返って、お話をお終いにしたくなったのでしょう
」と指摘されるや、「我に返ってなどいません
」と言い放ち、いよいよ仇討ちへ向かって話を進める決意をする。
その頃、赤穂へは堀部さん他2名が「江戸で取ったアンケート結果」を携えて到着し、篭城を主張するのだった。
名もない侍は、二人の女性を両天秤にかけた後、内の一人と結婚した。その直後、事件は起きた。西暦1701年4月21日、殿が殿中で刃傷事件を起こしてお家断絶となり、彼は失業。 突然スイッチの入ってしまった彼の母親は、「吉良が斬られたからには、斬られるだけのことをやったに決まっている」と吉良の悪行三昧を憶測で語り始める。
江戸の藩邸を追われた名無しの侍は、母親と妹を連れ、一家揃って嫁の実家に転がり込む。 母親の憶測による吉良の悪行三昧は、嫁の実家や他の赤穂藩士に伝わり、かの堀部安兵衛の耳にも入る。
さて今回の母の憶測は、ありえなかったはずの「切腹場へ向かう浅野内匠頭と、美男子の小姓頭片岡源五右衛門の今生の別れ」のシーンです。 純愛なので、色々目と目で語り合えるのだそうです。
通信事情が現在より格段に悪い 1701年。江戸からの報せが赤穂に続々と届き始めるが、肝心なことは中々解らない。吉良の生死すら解らない。 一方江戸では、余計な母の憶測が着々と伝わっていく。
さて今回の母の誇張表現は、「堀部安兵衛、高田馬場の決闘」の段。ホリベさんは 18人も滅多斬りにした尋常じゃない人間らしい。 名無しの侍は嫁から「吉良の悪行三昧は母の憶測に過ぎない」ことをホリベさんに伝えるように厳命されるが、そんな怖い人には近寄りたくない。
そうしてついに、母の憶測は赤穂へも伝わる気配。
赤穂で倒産処理がテキパキと進む一方、江戸では母の憶測による「赤穂篭城」の噂が広がる。 噂は赤穂浅野家の本家に当たる広島浅野家にも伝わり、慌てた広島浅野家は篭城を諌めるため赤穂へ使いを送る。
篭城の意思などない大石は会議の席上、「篭城の噂に惑わされず、開城の準備をするように」と訓示を垂れるが、その最中、江戸からの飛脚によって吉良の悪行三昧が伝えられてしまう。 スイッチの入った赤穂藩士は吉良の処分を求めて今聞いたばかりの篭城案を決議、大石は江戸の収城目付けに吉良処分の嘆願書を送るが、既に赤穂へ向かった目付一行と嘆願書は入れ違いになり、幸い届くことはなかった。
母は考える。「篭城討ち死にじゃ話が終わってしまう。他の展開考えないと」
「篭城討ち死に」以外の展開を考えるマスオ母はスランプに陥り、独演会を休演。大家である嫁の父と「編集と作家ごっこ」や「あこぎな大阪商人ごっこ」に興じていた。
赤穂では、家老大野九郎兵衛に諌められた大石さんが開城を決意。藩士たちも大賛成で話がまとまったかに見えたが、ついうっかり片岡源五衛門(美男子)に乗せられ「吉良を討つ」案に同意してしまう。
流されてばかりの赤穂の皆さんに愛想を付かした大野さんは、その夜ひっそりと姿を消すのだった。
マスオ母の「物語」の迷走は続き、「第二部 そろそろ我に返って、お話をお終いにしたくなったのでしょう
」と指摘されるや、「我に返ってなどいません
」と言い放ち、いよいよ仇討ちへ向かって話を進める決意をする。
その頃、赤穂へは堀部さん他2名が「江戸で取ったアンケート結果」を携えて到着し、篭城を主張するのだった。